※針文字書簡写真:杉村家蔵、我孫子市教育委員会提供

感想/メッセージ

細井好さん

森近運平の甥御さんで、「100年の谺(こだま)」にも出演していただいた、細井好さんよりメールのお便りが届きました。

「父上は怒り給いぬ我は泣きぬ さめて恋しき故里の夢」(運平)

「行ってきます直ぐ帰りますの言の葉は 哀れ儚き死出の旅立ち」(栄子)

初めまして、小生森近運平の甥、好(このむ)と申します。
どうぞよろしくお願申し上げます。

上段は、叔父、森近運平が死刑直前に綴った詩(うた)、
下段は、兄の帰りを悲痛な想いで待ち綴った詩(うた)、母栄子(ひでこ)の作です。

大逆罪に囚われ、
「此の事件の真相は後世の歴史家が明らかにしてくれる」
運平は斯う遺書し露と消えました。

そして、100年の月日が流れました。

屋敷跡に建立(たつ)長男森近運平の石碑が、
二十余代続いた森近家を絶えることなく、
永久(とわ)に守り続けて呉れると信じます。

今後とも宜しくお願い申し上げます。

謹白

映画の感想

映画をご覧になった方々からいただいた感想をご紹介します。

I.Sさん(蓮田市 女性)

拝啓

朝夕涼しくなりました。

先日は映画「100年の谺」鑑賞に行くことができ良かったです。何がというとこの明治時代を自分が何も知らないことを改めて思いしりました。明治から百四十四年。私の祖父・祖母が生きた時でありながら、昔のように思ってきたのです。

明治から大正、昭和の時代を私の祖父母の生きた時代として知っていこうと思います。

私が一番印象的だったのは、管野須賀子が送った手紙でした。開いてみるとまっ白な紙。針の穴で書かれた文面。女の子へ宛てた文面。これは映像でなければ伝わらないと思います。静かな朗読、壁に映された窓の影。熱い思いや無念の思いへの鎮魂の気持ちを感じました。

大勢の人達の労力、時間、信念が結集して映画が出来ることもわかりました。またゆっくりお話をきかせて下さい。

2012.9.19